ヘスクイル島、その後


  革命の翌年春、デューイを最高司祭とした「ヘスクイル教国」が誕生します。信仰の中心は生命の神、ウドゥルグ。他国との国交も少しずつ行われるようになり、大陸への定期船が通うようになっていきます。
 デューイは生命の神を説き、生命を尊重する教義を作り上げていきます。彼の死後も、その教義は受け継がれていくことになります。
 かつては生贄がある種の「間引き」となり、人口の増加を抑制していました。そのため、シガメルデ壊滅事件で減少した人口が回復していなかったんですが、革命後15年程度で事件以前の水準にまで回復しています。
 また旧シガメルデ周辺の壊滅した地域も、革命の後では普通に生命が存在できるようになっていました。そのため、少しずつ人々が住み着いて復興に取り組んでいっています。
 そういえば、旧シガメルデでは妙なものが見つかったとのことです。聖堂跡近くに、かなり前の墓とおぼしき盛り土と、墓碑のように置かれた石があったのですが、ヘスクイル教国が誕生した頃、その石の上に、かつての教団の秘宝「死神の額飾り」が置かれていました。ウドゥルグの額飾りと言われたアクセサリーです。レブリムから行方不明になり、20年以上が経過していたものでした。誰がいつ、これを置いたのかは定かではありません(「交差の地」に答えへの手がかりがありますが)。