フィリップ・ホーリー君

 中盤から突然登場し、いくつか台詞はあるもののちょっと影の薄かった元暗殺者。革命当時の年齢は16歳。デューイやアリスより3歳下になります。だいぶ若いですね。生まれたのはドリュキスで、アリスの幼馴染みにあたります。アリスとフィルは家が近所で、フィルが5歳でロルンに入れられるまではよく一緒に遊びました。フィルの両親は息子を生贄にしないために準信徒の地位を得ようとしたんですが、周囲の目に耐えきれなかったのか、その後どこかへ引っ越してしまい、消息が途絶えてしまいます。暗殺者は希望すれば自宅へ戻ることも可能ですが、フィルの場合はそれもかなわなくなってしまったわけです。平和になってから無事再会を果たせたかどうかは考えていませんが、果たせてるといいな。
  ドリュキス支部所属で、主専攻は魔術、副専攻が体術(ちなみにデューイは主専攻が剣術、副専攻が魔術。ガルトは主専攻が魔術、副専攻が薬学)。15歳で刻印を受け、島外には一度派遣されますが、自分の手で人を殺すことに堪えられず、使命を受けることに消極的になります。そのため、思想規律違反者として処刑されかけたところを、ガルトに助け出されました。
 少し内気で、知らない人と接するのは苦手でしたが、革命を通じて自分のできることを懸命にやっていった結果、国交回復時のさまざまな交渉を担当できるぐらいにまでなりました。「交差の地」の「エピローグ」では、そうやって大陸にやってきたフィルが出ています。
 ちなみにアリスにはもう一人、ロルンに入れられた幼馴染みがいました。 アリスより1つ年上で、フィルはほとんど覚えていないのですが、エレインという女の子。しっかり者だった彼女がロルンでどうなったのかは定かではありませんが、リュテラシオンの精鋭部隊に加わっていた記録があります。が、帰還した精鋭部隊の中に彼女はおらず、その行方はわかっていません。
 実は彼女は、一度だけガルトに会っています。「交差の地」で、性別を明記していない暗殺者の記述があるのですが、 それがエレインでした。会って、そしてどうなったのかは「宝石王の館」にて。